この記事では、斬新かつ面白いビジネスモデルを紹介していきます。
参考書籍はこちらの本。
この本では、一風変わった面白いビジネスモデルが、図解とともに分かりやすく説明されています。
今回はその中から、特にみなさんに紹介したいと思った、面白いビジネスモデルを7つ紹介していきます。
それではさっそくいきましょう。
なぜ面白いビジネスモデルが生まれるのか?
具体的なビジネスモデルを紹介していく前に、「なぜ面白いビジネスモデルが生まれるのか?」そこについて少し触れていきます。
本書では、面白いビジネスモデル=革新的で生き残ることができるビジネスモデルには「逆説の構造」があると主張されています。
生き残るビジネスモデルには「逆説の構造」がある
「逆説」とは「定説」の反対。つまり「非常識」であるともいえる。
しかしビジネスの世界では、この「逆説」が強いほど革新的なものが生まれるのです。
僕は、逆説の「逆」が最も強い状態こそ、イノベーションだと考えている。イノベーションは、日本では「技術革新」などと訳されることが多いが、本質的な意味はもっと広く、「革新を創造する」ことを指す。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
さらに「起点」「定説」「逆説」の関係性を分かりやすく説明しているので、少し紹介。
ここでは傘を例に説明しています。
起点:傘
定説:片手を占拠しているのに、どうしても雨濡れてしまう
逆説:両手が開いていて雨に絶対に濡れない
傘は本来、雨をよけるため、雨に濡れないために作られています。しかし、どうしても足の一部が濡れてしまったという経験があるはず。
それを防ぐために、レインコートという商品もあるが、持ち運びの便利性も考慮すると結果的に傘のシェア率が高い。
そこで「両手が開いた状態でも絶対に濡れない傘」が生まれたらどうだろう?と考えてみる。
例えば、宙に浮きながら前進をバリアのように包み込み、雨はすべてはじき返す。しかも、視界はクリアに見えていて、ほかの人の迷惑にもならない。さらに手ごろな値段。
こんな製品があったら絶対に売れるはずだろう。ここまで出来たらイノベーションだと思う、と著者は言う。
できないと思われていたことができた。
定説が強ければ強いほど、逆説が実現された時のインパクトが大きくなる、ということを前提において、以下では面白いビジネスモデルを紹介していきます。
面白いビジネスモデル
ここからは、上でも述べた”定説と逆説”にも焦点を当てながら、実際に実現された革新的な面白いビジネスモデルを8つ紹介していきます。
Warby Parker
まず紹介するのは、Warby Parker(ワービーパーカー)。
\自宅で試着してから購入できるメガネ/
このビジネスモデルの起点・定説・逆説はこうだ。
起点:メガネ
定説:お店で試着して購入するもの
逆説:自宅で試着してオンラインで購入するもの
従来は、店頭で試着をして購入するのが当たり前だったメガネ。
そんな時、買ったメガネがあまり似合わなかった…けれどもわざわざ店舗に行くのは面倒。
そんな課題を解決するために登場したのがこちらの会社になります。
購入前に自宅で試着できるメガネ「Warby Parker」。
2010年に創業し、2.15億ドルの資金調達をした米国の大型スタートアップ。米国内各地に店舗を持つが、ユーザーが店舗に来ない場合でも、店舗と同等か、それ以上の試着体験ができる仕組みがある。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
自宅での試着が可能となり、さらにその後気に入ったらオンライン上だけで購入が完了するという仕組みが斬新なビジネスモデルとして評価されたのです。
様々なもののオンライン化が進む今日。「これはさすがに店頭でしか買えないでしょ」そう思っているものがオンラインで買える仕組みが誕生したとき、それは大きなビジネスへと成長するのかもしれないですね。
そろそろメガネの購入を検討しているので、その際にぜひ利用してみたい!!
公式サイトはこちら↓
フィル・カンパニー
続いて紹介するのは、フィル・カンパニー。
\「駐車場の上」に建物をつくって土地を有効活用/
このビジネスモデルの起点・定説・逆説はこうだ。
起点:空地の有効活用
定説:コインパーキングにするか建物を建てる
逆説:コインパーキングの上に建物を建てる
昨今の日本が抱える問題の一つ、「空地」の有効活用の一つとして「コインパーキング」が挙げられます。
コインパーキングは、初期投資が少ない点や、あとから更地にしたり建物を建てたりと柔軟性を持たせることができるなど、メリットがあります。
その一方、デメリットとして収入が大きくないという点がありました。
そこで誕生したのが、フィル・カンパニーになります。
すでにある駐車場の上に建物を建てて、土地を二重に活用し、収入アップが期待できるのが株式会社フィル・カンパニーが運営する「空中店舗フィル・パーク」という事業。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
すでにあるものを有効活用し、新たな利益も生むという画期的なビジネスモデルを誕生させました。
まさに一石二鳥!新たなものを生み出すのもイノベーション。既存のモノに何か加えるのもイノベーションか。
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未来食堂
続いては紹介するのは、未来食堂。
\自分の気分や体調に合わせたおかずを注文できる定食屋/
このビジネスモデルの起点・定説・逆説はこうだ。
起点:定食屋
定説:誰が頼んでも同じメニューの提供
逆説:頼んだ人に合わせたメニューを提供
誰が頼んでも同じメニューの提供が”当たり前”の定食屋。
その「常識」に一石を投じたオーダーメイド定食を営むのが「未来食堂」です。
公式サイトに、注文方法のイラストがあったので掲載します↓
「未来食堂」は、自分の気分や体調に合わせたおかずを注文できる「あつらえ」という仕組みを持つ定食屋だ。あつらえはオーダーメイドに近い料理なので、客の要望のヒヤリングや調理に時間がかかって非効率になりそうだが、これを仕組みで解決しているのがすごいところ。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
あらかじめメニューが決められているのが当たり前の定食屋の中で、お客様一人一人に合わせたメニューを提供するというのは非効率という理由から敬遠されてきました。
そんな中、オーダーメイドで注文するという仕組みを作りイノベーションを起こしたといえる「未来食堂」。まさに「未来」の食堂といえるのではないだろうか、なんて思いました。
飲食業界に眠る「定説」はまだまだあるはず。どんなビジネスが生まれるのかワクワクする。
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ダイアログ・イン・ザ・ダーク
続いて紹介するのは、ダイアログ・イン・ザ・ダーク。
\完全暗闇を体感するソーシャルエンターテイメント/
このビジネスモデルの起点・定説・逆説はこうだ。
起点:体験型ワークショップ
定説:すべての感覚を使って体験する
逆説:視覚以外の感覚を使って体験する
従来の体験型施設では、すべての感覚を使って体験するものが一般的でした。
そんな中登場し、話題を呼んだのが、視覚以外の感覚を使って体験をするというものでした。
100%の暗闇の中で行われる様々な体験をエンターテイメントとして楽しむことができる「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。あまりに暗いので不安になるけれど、アテンドがついて丁寧に案内をしてくれる。このアテンドは、視覚的な障がいを抱える人だ。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
「視覚」という日常で欠かせない感覚をあえて制限することで、さまざまな非日常的体験をすることができるワークショップとなっています。
「社会的弱者」と呼ばれやすい立場に置かれる障がい者が、本当は弱者などではなくて、「その能力を発揮できる場所が少ないだけなのではないか」と気づかされるステキな試みだと思う。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
アテンドを視覚に障がいを持つ方がするということにも、たくさんの気づきがあるとのこと。弱者なんていない。素敵な試みですよね。
視覚のない暗闇世界がどんな感覚なのか。体験してみる価値は大いにあると思うな。
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b8ta
続いて紹介するのは、b8ta(ベータ)。
\製品の「ベータテスト」を行うための小売店/
このビジネスモデルの起点・定説・逆説はこうだ。
起点:小売店
定説:商品を売る場所
逆説:顧客の反応をみる場所
従来の小売店は、商品を売る場所であったのに対し、b8taでその場で売るのを目的とするのではなく、あくまで顧客の反応をみることを目的とした小売店です。
「b8ta(ベータ)」は製品を販売しながら、ベータテストと呼ばれる製品の運用試験を行うことができる小売店。米国西海岸のサンフランシスコなどに9つの店舗を持ち、店内にはKickstarter や Indiegogo といったクラウドファンディングから生まれた画期的な製品が多く並んでいる。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
メーカーは製品を販売して利益を得ることよりも、スタッフが利用客から自然な形で聞き出した情報を得ることを目的としています。
利用者は実際に手にとってその商品を直接体験することができる、とてもユニークな小売店なのです。
実際に体験してみたけど、本当に面白かった!!新しい物好き、体験好きにはドンピシャだと思う。
こちらに実際に実店舗に行ってきたときの体験談を記事にまとめているので、是非合わせてお読みください。
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キッチハイク
続いて紹介するのは、キッチハイク。
\料理を「つくりたい人」と「食べたい人」をつなぐコミュニティ/
このビジネスモデルの起点・定説・逆説はこうだ。
起点:手作り料理
定説:家族や友人にふるまうもの
逆説:初めての人にもふるまうもの
従来、手作りの料理は家族や友人にふるまうもの、一人暮らしに至っては自分で食べるだけのものであったのに対し、キッチハイクは「つくりたい人」と「食べたい人」をつなぐビジネスモデルです。
株式会社キッチハイクが運営する「キッチハイク」は、料理をふるまう人と食べたい人とをつなぐサービス。「食でつながる暮らしをつくる」という同社のミッションを象徴するような事業といえる。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
料理が「作業」になりがちの人、「みんなで手作り料理をいただく」という楽しみを味わう機会が少ない人、そういった人にはとても魅力的なサービスだと思います。
自分は「つくりたい」側の人間なので、これはとても面白いビジネスだなと思った。
公式サイトはこちら↓
現在は、個人間での「つなぐ」サービスはやっていませんでしたが、引き続き「食でつなぐ」様々な魅力的なサービスを行っていました。
気になる方はぜひ覗いてみてください。
サカナバッカ
最後に紹介するのは、サカナバッカ。
\卸を通さず、漁港から直接仕入れる鮮魚小売り専門店/
このビジネスモデルの起点・定説・逆説はこうだ。
起点:町の魚屋
定説:卸から売れる魚を仕入れるため少品種
逆説:漁港から直接魚を仕入れるため多品種
2015年にはグッドデザイン賞を受賞するほどにおしゃれなデザインの店舗。なんとその中身は「鮮魚店」だというのです。
卸から仕入れるのではなく、漁港から直接仕入れているため多品種の魚を扱うことを可能にしています。
僕が初めて「サカナバッカ」の店舗を見たとき、一般的な鮮魚店のイメージとはだいぶ違っていて驚いた。店名にサカナという文字が入っていなかったら、おしゃれなカフェかなんかだと勘違いしていたかもしれない。
(出典:ビジネスモデル図鑑2.0)
「魚屋」のイメージを変えるカフェのような店舗。実際に足を運んで体感してみたいものです。
鮮魚店×カフェみたいな店構え。こんな感じの組み合わせ、ほかにもありそう。
公式サイトはこちら↓
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は、面白いビジネスモデルを7つ紹介してきました。
世の中にはいろいろなビジネスモデルがあるという発見、また、これ以上に何か面白いビジネスモデルはないものかと考えさせられました。
そして、定説と逆説の差が大きければ大きいほど、大きなイノベーションが生まれるという考え方が面白い!なるほどな!と思わされました。
個人的に、今回紹介したものすべてを試してみたいなと思っています。後日体験をした際にはまた、記事にできたらなと思います。
今回紹介した本には、この記事で紹介した7つのビジネスモデルを合わせて計100個ものビジネスモデルが分かりやすい図解とともに紹介されていて、非常に読みごたえのある本となっています。
ぜひご自身の手に取って読んでいただけたらなと思います。
いろいろなビジネスモデルを知ること、そして背景を知るのはとても楽しい!
ではまた。
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